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平出 哲也
Proceedings of 8th Asia Pacific Symposium on Radiation Chemistry (APSRC 2020) (Internet), 2 Pages, 2020/04
絶縁材料中に入射された陽電子は、そのトラック末端で自らイオン化を起こし、過剰電子とラジカルが形成する。この過剰電子と入射陽電子がポジトロニウムを形成すると、ポジトロニウム中の電子とラジカル中の不対電子がスピン相関を持つことになる。このスピン相関を利用することで、ラジカルの超微細結合定数に依存した量子ビート現象がポジトロニウムとのスピン交換反応に現れ、また、スピン相関のあるラジカルとその他のラジカルをポジトロニウムをプローブとする反応で見分けることができる。水中ではOHラジカルの挙動を、室温イオン液体中ではカチオンラジカルの状態などについて研究を行うことができる。
熊谷 友多; Jonsson, M.*
no journal, ,
使用済核燃料の直接地層処分では、地下水が処分システム内に浸食し、最終的には燃料と接触することが想定されている。地下水と接触した燃料の表面では、水の放射線分解の作用により、二酸化ウラン母材が徐々に酸化され、水に溶解する。地下水中には天然の有機物が含まれることから、本研究ではフタル酸をモデル物質として、有機物の吸着が二酸化ウランの溶解反応にどのような影響を及ぼすのかを実験により調べた。まず、フタル酸水溶液中では、二酸化ウラン表面へのフタル酸の吸着が生じ、フタル酸の濃度が高い場合には吸着量は表面の80%に達した。フタル酸の吸着した二酸化ウランに対して、水の放射線分解の模擬として過酸化水素を反応させる実験を行ったところ、高い吸着量に反して、吸着質を含まない水溶液中と同程度のウランの溶解が観測された。この結果から二酸化ウランの表面酸化反応はフタル酸の吸着の影響をほとんど受けないことが分かった。